他者はコントロール出来ないのは真実か?
悩み相談でよく、他者はコントロール出来ないから考えるのはやめなさいと書いてあるのを見る。
昔はそうだなあと素直に聞いていたが、最近はなんだか納得出来ない。
ひとつは、そんな事を言われても人に嫌われるよりも好かれたいという事。
もう一つは、このアドバイス自体が人をコントロールするという目的で書かれているからだ。
例えば誰かに「他人はコントロール出来ないから、悩むのはやめなさい」と伝えたとする。
そしてそれを聞いた人物が「なるほど!わかりました!」となった場合、一時的だとしてもコントロールに成功している事になるんじゃないだろうか。
別に屁理屈を言いたいわけではない。
しかし、人は誰かの行動や発言や創作物に心を動かされるものだ。
もちろんその受け取り方が思ったとおりになるとは限らない。
でも、お笑い芸人とか、漫画家とか、監督とかともかくそういう職業が成立しているというのが、人をコントロール出来るという証明のように思う。
彼らは思いついた事を適当にやっているわけではない。
演出ってのは、見る側の反応を予測してつくられているのだから。
私もできることなら人の心を動かしたいと思っている。
きっと、だから他人の心なんて気にするなというアドバイスに反発したくなるのかもしれない。
自分でこうして書いてみて、私が創作を続けている理由がわかったかもしれない。
何かを作るのなんて、面倒で仕方がないと思いながらずっと色々とやってきた。
しかし、私の目的が人の心を動かす事ならば全部合点がいく。
創作のやり方にこだわらない事も、見る人が居ない作品に意味を感じないのも、自分にとっての創作は目的でなくて手段だったからなんだろう。
自分の作ったものが下手くそでも少しも悔しくなかったのも、きっとそういう理由なんだろうな。
自分にはプライドがないのだと思っていたよ。
人の心を動かしたいのか。
その目的が達成できたら、少しは生きていてよかったと思えるだろうか。